破竹の勢いという言葉の正しい使い方知ってますか?
「破竹の勢い」は、止められないほどの激しい勢いを表す日本語の慣用句です。
この表現は、中国の古典文学に由来する故事成語であり、
その起源は三国時代の武将、杜預(とよ)に関する逸話にあります。
破竹の勢いの概要
「破竹の勢い」は、物事が一気に進展する様子や、急成長している状況を示す際に使われます。
特にスポーツやビジネスの文脈でよく見られ、連勝や急激な成功を表現するのに適しています。
破竹とは
「破竹」とは、竹を割ることを意味します。
竹は最初の節を割ると、その後は一気に割れていく特性があるため、この比喩が使われました。
杜預は、「今兵威已振、譬如破竹」(今、兵は勢いがあり、例えるならば竹を割るようなものである)と表現し、
敵国を攻める際の戦略を説明しました。
三国時代の武将、杜預(とよ)について/破竹の勢いの起源
杜預(とよ、222年 – 284年)は、中国の三国時代から西晋時代にかけて活躍した政治家、武将、学者です。彼の生涯と功績について詳しく見ていきましょう。
概要
杜預は、魏と西晋に仕えた名門の出身で、字は元凱でした。
彼は政治家、武将としての才能を発揮し、特に呉の征伐で大きな功績を残しました。
また、学者としても知られ、『春秋左氏伝』の注釈書を著しています。
略歴
- 222年:陝西省西安市(当時の京兆尹杜陵県)に生まれる
- 258年頃:36歳で初めて尚書郎として仕官
- 263年:蜀漢攻略に従軍し、鎮西長史として活躍
- 278年:荊州太守に任命され、呉討伐の準備を開始
- 280年:呉を滅ぼし、中国統一に貢献
- 284年:63歳で死去、征南大将軍・開府儀同三司を追贈され、「成」の諡号を与えられる
逸話
- 「破竹の勢い」の由来:280年の呉攻めの際、杜預は「今、兵威は振興し、譬えるなら竹を割くようなものだ」と述べ、この言葉が後に「破竹の勢い」として知られるようになりました。
- 武芸の不得手:杜預は優れた知略を持ちながら、実際には馬に乗ることができず、弓射も不得意でした。
そのため、戦場では本陣に留まりながら将兵を指揮するスタイルを取っていました。 - 「杜父」の愛称:杜預は礼儀正しく、人との交わりを大切にし、教えを求められると丁寧に教え込む姿勢を持っていました。
このため、多くの人々から慕われ、「杜父」と呼ばれることもありました。
破竹の勢いと杜預
「破竹の勢い」という表現は、杜預の軍事的成功を象徴しています。
280年の呉攻めの際、杜預は「今兵威已振、譬如破竹」(今、兵の勢いは強く、竹を割るようなものである)と発言しました。
この戦略的な判断が「破竹の勢い」という表現の根源となり、以後この言葉は急成長や連勝など、止められない勢いを表す際に使われるようになりました。
登場する書物
- 『春秋経伝集解』:杜預の最も重要な著作であり、『春秋』と『左伝』を一体化させる新たな解釈を提供しました。
- 『晋書』:晋代の歴史を記した重要な史料であり、杜預の学問的業績や政治的役割が記録されています。
- 『三国志』および『三国志演義』:これらの書物では、杜預の活躍や彼にまつわる逸話が詳細に描かれています。
杜預は、その軍事的才能、政治的手腕、そして学問的業績により、中国史上重要な人物として位置づけられています。彼の戦略的思考と成功は、「破竹の勢い」という言葉とともに後世に語り継がれ、その影響は現代にまで及んでいます。
破竹の勢いが使われている作品
「破竹の勢い」という表現は、文学作品においても多く使用されています。
例えば:
- 阿川弘之の作品では、「破竹の勢いで進む」という表現が使われ、主人公や登場人物が困難を乗り越えて急成長する様子を描写しています。
- 朝鮮戦争に関する文学では、「破竹の勢いで南下した人民軍」という表現が使われ、戦争初期における人民軍の急速な進撃を描写しています。
「破竹の勢い」という表現は、文学作品においても多く使用されており、その意味は「止められないほど勢いが良い」ということです。
この表現は、特に成功や成長の過程での勢いを強調する際に用いられます。
具体的な使用例として、以下のような文脈が挙げられます。
- スポーツやビジネスの文脈:
- 「あのチームは破竹の勢いで勝ち進んでいる。
おそらく決勝戦でも、誰も敵わないと思う。」この文は、スポーツチームが連勝している様子を描写しており、その勢いが止まらないことを示しています。
- 「あのチームは破竹の勢いで勝ち進んでいる。
- 文学作品における使用:
- 近代小説においても「破竹の勢い」は見られます。
例えば、阿川弘之の作品では、「破竹の勢いで進む」という表現が使われ、主人公や登場人物が困難を乗り越えて急成長する様子を描写しています。
- 近代小説においても「破竹の勢い」は見られます。
- 歴史的な文脈:
- 朝鮮戦争に関する文学では、「破竹の勢いで南下した人民軍」という表現が使われ、戦争初期における人民軍の急速な進撃を描写しています。
このように、歴史的な出来事を背景にした文学作品でもこの表現が活用されています。
- 朝鮮戦争に関する文学では、「破竹の勢いで南下した人民軍」という表現が使われ、戦争初期における人民軍の急速な進撃を描写しています。
これらの例からもわかるように、「破竹の勢い」はさまざまな文脈で使用され、その強い意味合いは成功や急成長を象徴しています。
文学作品では、特定の状況やキャラクターの行動を強調するために効果的に使われています。
破竹の勢いを使った例文
- あのチームは破竹の勢いで勝ち進んでいる。おそらく決勝戦でも、誰も敵わないと思う。
- あの新興企業は、SNSでのプロモーションが成功し、破竹の勢いで売上を伸ばしている。
- 彼女は新入社員として入社したばかりだが、破竹の勢いで営業成績を上げている。
- 晋の武将・杜預は、敵国に対して破竹の勢いで攻め込むべきだと主張し、見事に勝利を収めた。
- この女優は連続テレビ小説への出演後、破竹の勢いで映画やドラマの主演が決まった。
「破竹の勢い」という表現は、止められないほどの激しい勢いを指し、特に急成長や連勝を表現する際に使われます。以下に、この言葉を使用した例文をいくつか紹介します。
- スポーツシーン
「彼のチームは開幕から破竹の勢いで勝ち進み、ついに決勝戦に進出した。」
これは、チームが連勝を重ねている様子を示しています。 - ビジネスシーン
「あの新興企業は、SNSでのプロモーションが成功し、破竹の勢いで売上を伸ばしている。」
ここでは、企業が急成長していることを表現しています。 - 個人の成長
「彼女は新入社員として入社したばかりだが、破竹の勢いで営業成績を上げている。」
新入社員が短期間で成果を上げている様子を示しています。 - 歴史的な文脈
「晋の武将・杜預は、敵国に対して破竹の勢いで攻め込むべきだと主張し、見事に勝利を収めた。」
三国志に由来するこの表現は、戦略的な成功を強調しています。 - エンターテインメント
「この女優は連続テレビ小説への出演後、破竹の勢いで映画やドラマの主演が決まった。」
芸能界での急激な人気上昇を表現しています。
これらの例文からもわかるように、「破竹の勢い」はさまざまなシーンで使われる表現であり、特にポジティブな状況や急成長を強調する際に非常に効果的です。
破竹の勢いが生まれた故事成語について
「破竹の勢い」の起源は、280年頃の晋(しん)という国が、敵国である呉(ご)を攻める際の出来事にあります。
杜預は、周囲から一旦兵を引くべきだという意見が出る中で、呉の勢いが弱まっていることを見抜き、
攻撃を続けることを主張しました。
この発言は『晋書・杜預伝』に記載されており、結果的に晋軍は呉を滅ぼすことに成功しました。
「破竹の勢い」という表現は、中国の古典文学に由来する故事成語であり、その起源は三国時代の武将、杜預(とよ)に関する逸話にあります。
この言葉は、止めようとしても止められないほどの猛烈な勢いを表現する際に用いられます。
この成語の背景には、280年頃の晋(しん)という国が、敵国である呉(ご)を攻める際の出来事があります。
杜預は、周囲から一旦兵を引くべきだという意見が出る中で、呉の勢いが弱まっていることを見抜き、「今、兵は勢いがあり、例えるならば竹を割るようなものである」と主張しました。
この発言は『晋書・杜預伝』に記載されており、原文では「今兵威已振、譬如破竹」と表現されています。
竹は最初の節を割ると、その後は一気に割れていく特性があるため、この比喩が使われました。
杜預の提言に従い、晋軍は攻撃を続け、結果的に呉を滅ぼすことに成功しました。
このように、「破竹の勢い」は、物事が一気に進展する様子や、
急成長している状況を示す際に使われるようになりました。特にスポーツやビジネスの文脈でよく見られます。
この表現には類義語も存在し、「飛ぶ鳥を落とす勢い」や「旭日昇天の勢い」などがあります。
これらも同様に強い勢いや急成長を表現する際に使用されます。
「破竹の勢い」は、その由来からもわかるように、歴史的な背景と深い意味合いを持つ言葉であり、現在でも多くの場面で使われています。
令和時代に破竹の勢いがある人物やイベントについて
- 松本若菜:2022年のドラマ「やんごとなき一族」で大ブレークし、その後も連続ドラマや大河ドラマに次々と出演。
2024年には初めてゴールデンプライムタイムの連続ドラマで主演を務め、続く10月期には2クール連続で民放連ドラ主演を果たしました。 - 日本経済:2024年2月には日経平均株価が史上最高値を更新し、経済回復への期待が高まりました。
- ASEAN市場への日本企業の進出:特にシンガポールやタイなどでは、日本企業の進出が著しく、ASEAN市場開拓が活発化しています。
令和時代に入ってから、特に2024年11月現在において「破竹の勢い」と評される人物やイベントには、以下のような具体例があります。
松本若菜の活躍
松本若菜は、令和時代において特に注目されている女優の一人です。
彼女は2022年のドラマ「やんごとなき一族」で大ブレークし、
その後も連続ドラマや大河ドラマに次々と出演しています。
2024年7月期には、芸歴18年目にして初めてゴールデンプライムタイムの連続ドラマで主演を務め、
続く10月期には2クール連続で民放連ドラ主演を果たしました。
このような活躍により、彼女の初フォトエッセイ「松の素」が重版されることが決定し、
彼女の人気と影響力が高まっています。
経済的な動向
令和時代の日本経済も「破竹の勢い」と表現されることがあります。
2024年2月には日経平均株価が史上最高値を更新し、経済回復への期待が高まりました。
しかし、同時に「景気がよくなったという実感はない」といった声もあり、
バブル期とは異なる状況が見受けられます。1989年当時と比較すると、
日本は強気だったが、現在は楽観論が入り込む余地が少ないという指摘もあります。
ASEAN市場への進出
日本企業のASEAN市場への進出も「破竹の勢い」と言える動きです。
ASEAN諸国は内需主導型の経済成長に転換しており、日本企業はこの市場を重要視しています。
特にシンガポールやタイなどでは、日本企業の進出が著しく、ASEAN市場開拓が活発化しています。
このような動きは、日本経済にとって新たな成長機会を提供しています。
これらの事例からもわかるように、令和時代には多くの人物やイベントが
「破竹の勢い」と評される状況が見られます。
松本若菜のような文化的な影響力を持つ人物や、日本経済の回復傾向、
ASEAN市場への進出など、多方面で活発な動きが展開されています。
破竹の勢いの類義語や対義語について
「破竹の勢い」という表現は、止められないほどの激しい勢いを意味します。
この言葉は、竹を割る際に最初の一節を割ると、その後は一気に割れていく様子から来ています。
この表現は主に、急成長や連勝など、ポジティブな状況を表す際に使われます。
類義語
- 飛ぶ鳥を落とす勢い
この表現は、飛んでいる鳥さえも落とせるほどの強い勢いを示します。
競争相手がいる状況でも使われ、非常に強力な成長や成功を表現する際に適しています。 - 昇竜の勢い
竜が天に昇るような勢いを意味し、急激な成長や上昇を示す言葉です。
特にビジネスやスポーツの文脈で使われることが多いです。 - 旭日昇天の勢い
朝日が天に昇る様子から生まれた表現で、非常に勢いがある状態を指します。
業績が好調な企業や個人の成長を表す際に用いられます。 - 日の出の勢い
朝日が昇るように、物事が順調に進展している様子を示します。
特に新たなスタートや成長を強調する際に使われます。
対義語
- 衰退の一途をたどる
この表現は、勢いが衰えている状態を指し、悪化していることを強調します。
単なる衰退ではなく、持続的に衰え続けていることを示します。 - 斜陽
太陽が傾く様子から転じて、栄光から没落している状態を意味します。
特定の産業や個人がかつての栄光から遠ざかっていることを示す際によく使われます。 - 見る影もない
かつての姿が全く見えないほど衰えてしまった様子を表します。
特に人や場所が以前の活力を失った場合に用います。
これらの類義語と対義語は、「破竹の勢い」の持つ意味合いや使用される文脈によって異なるニュアンスを持ちます。
ポジティブな成長や成功を表す言葉と、それに対するネガティブな状態を示す言葉との対比が明確です。
類義語
- 飛ぶ鳥を落とす勢い
- 昇竜の勢い
- 旭日昇天の勢い
- 日の出の勢い
対義語
- 衰退の一途をたどる
- 斜陽
- 見る影もない
これらの類義語と対義語は、「破竹の勢い」の持つ意味合いや使用される文脈によって異なるニュアンスを持ちます。
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